Aliexpressの不良品は「一部返金は受けてはダメ」というお話

Aliexpressの不良品が発生すると、一定の割合でセラーが提案してくる「一部返金」は受けてはダメな理由と、一部返金を提案された時の対応をまとめました。

公開日: 2020.9.7

Aliexpressの不良品あるある「一部返金するから許して」

Aliexpressで買い物をしていると一定の割合で不良品に当たります。

筆者の経験では不良率は10%くらいのイメージですが、「汚れていた」「傷ついていた」程度のものであればまだマシですが、ひどいものになると「動作しない」「全く別の商品だった」ということはザラです。

そういった不良品に当たった時には、まずセラー側に不良品の連絡をして対応をお願いするのが通常ですが、その時にかなりの確率で遭遇するのが、

「申し訳ない、そしたら1ドル返金するからPaypal(Paypayじゃない)口座アドレス教えて」

というやつです。

セラーが不具合を認めると、もうテンプレかってくらいこの方法で保証してこようとします。返金する数字は商品や金額にもよりますが、購入代金の20〜30%くらいが多いようです。

セラーがこのフェイズになると、交換といっても、良品を送ってくれといっても「Xドル返金で」としか返事して来ず、どうにもこうにもなりません。

Aliexpressのセラーが一部返金にこだわる理由

Aliexpressのセラーは、返品・交換・再配送すると赤字になる業者が多いようです。

ここはAliexpress業者の利益構造に要因があります。

Aliexpressの場合、「時間はかかるけど国際送料無料」という商品がほとんどですが、これは中国発の郵便荷物が、国際郵便の料金制度における「発展途上国優遇措置」受けているためで、小さい荷物で到着まで時間がかかるものは、10円などの異常な低価格で国際郵送できるのです。

しかし、これはあくまで「中国発」の荷物に対してなので、日本初の荷物では通常の国際郵便料金がかかります。つまり、返品を受けると、返品送料と良品の仕入れ値の合計が「売上の倍以上の赤字」になることもあるため、何としても返品にしたくないのです。そのため、返品の時は「送料は購入者負担」という規約にしているショップがほとんどなのです。

では、返品送料を購入者負担にする、もしくは返品しないで良品を新たに発送するとします。そうすると、商品原価と送料は単純に2倍になるため、その商品の利益率が50%以下でないと確実に赤字になります。Aliexpressのセラーは多くが小売店なので、そこまでの利益率はない場合がほとんどでしょう。

それなら売価の20%くらい(つまり利益とトントンかちょっと赤字くらい)で処理してしまおうと思うのです。この「利益とトントンかちょっと赤字くらい」というはセラー側にとっては重要なので、相当なことがない限り返金額の値上げ交渉には応じてくれません。

一部返金がいかに購入者にとって不条理かを検証してみよう

仮に5ドルで買った商品に不具合(スマホのガラスフィルムが割れていたなど)があって、セラー側が1ドルの返金で対応しようと提案してきたとします。

この場合、セラー側の粗利が仮に20%だとすると粗利額は1ドル、つまり1ドル返金してもセラー側は全く損をしていません。一方で、購入者側は、届いた商品はゴミ当然ですから、「5ドル - 1ドル = 4ドルの損」となる訳です。

「1ドルの返金ならまだいいか」なんて仏心は持ってはいけません。Aliexpressにおける「一部返金」は、確実にセラー側が有利な条件なのです。

セラーが一部返金を貫き通してきたらOpen Disputeしよう

では、Aliexressで一部返金しかセラーが対応しないといった場合はどうすればいいのか。それがOpen Disputeです。

Aliexpressでは、不具合についてセラー側との交渉で解決しなかった場合に、Aliexpreeが仲介してくれる「Open Dispute(紛争開始)」という機能があります。

Open Disputeでは、

  • 問題となった注文
  • 商品の問題点
  • こちらの希望(返品か、交換か、返金かなど)
  • セラーとのやりとり

を記入することになりますが、どれも素直に記入して問題ありません。不良品や商品違いなどの、セラー側に100%の瑕疵があった場合は、全額返品が認められるケースがほとんどです。

高額取引での配送中のダメージなどでは一部返金になることもあるようですが、それでもこちらに非がない場合は、バイヤーを優先してくれます。筆者も2度ほどOpen Disputeを経験していますが、全額返金になっています。


Aliexpressの不良品は「一部返金は受けてはダメ」な理由を見てきました。

Aliexpressにおける「一部返金」がいかにセラー側の都合かがわかります。ただ、こうしたセラーが多いのは事実ですが、中には赤字でもしっかりと再配送してくれる優良セラーもいるので「Aliexpressのセラー=全く不良品対応しない」という訳ではないことだけはあげておきます。

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テツ タバタ

デジモノ中毒なITライター・タバタ テツです。モバイル、パソコン、ネット回線などガジェット系やゲーム、そして関連する買い物が大好きな日本男児です。

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